ヒャダインについて
■匿名の動画投稿者と売れっ子作曲家が同一人物だった
ヒャダインは、音楽クリエイター・前山田健一が歌手、動画投稿者、タレントとして活動するときの名義です。大阪府出身で、3歳からピアノを始め、京都大学総合人間学部を卒業。作詞、作曲、編曲を独学で学び、2007年から本格的な音楽活動を始めました。
活動初期は正体を公表せず、ゲーム音楽へ自作の歌詞を付けたアレンジや、一人で男女の声を演じ分ける動画をニコニコ動画へ投稿しました。男声、女声、コーラス、台詞をすべて一人で録音し、短い映像の中で複数の登場人物を動かす方法が反響を呼び、多数のミリオン再生作品を生みました。
一方、本名の前山田健一では、アイドルやアニメへの楽曲提供を進めていました。2010年に「ヒャダイン=前山田健一」であることを公表し、ネット上の匿名クリエイター、商業作曲家、歌手、テレビ出演者を横断する活動へ移行しています。
■一曲の中で場面を何度も変える作曲
前山田健一の曲は、Aメロ、Bメロ、サビを同じ調子で繰り返すより、短い時間でテンポ、調、ジャンル、歌唱担当を切り替える傾向があります。アイドル曲では、メンバーそれぞれに台詞や短いソロを与え、全員が歌うサビへ一気に集約します。
ももいろクローバーの「行くぜっ!怪盗少女」は、自己紹介、ラップ、掛け声、急加速するサビを組み合わせ、メンバーの身体能力と観客のコールを楽曲へ組み込みました。「ココ☆ナツ」「ワニとシャンプー」「猛烈宇宙交響曲・第七楽章『無限の愛』」「ニッポン笑顔百景」などでも、楽器や音楽ジャンルを過剰に詰め込みながら、ライブで覚えられる短いフレーズを残しています。
私立恵比寿中学、でんぱ組.inc、AKB48関連、超特急、STARTO ENTERTAINMENT所属アーティスト、声優、アニメ作品など、提供先は非常に広いものの、歌う人のキャラクターを先に考える姿勢は一貫しています。本人が歌わなくても、誰がどの言葉を発するかによって曲の印象を作ります。
■ヒャダイン自身の代表曲
2011年、テレビアニメ『日常』のオープニングテーマ「ヒャダインのカカカタ☆カタオモイ-C」でメジャー歌手デビューしました。片思いの混乱を、早口、転調、男女の掛け合いへ変えた曲です。ミュージックビデオではヒャダイン本人と麻生夏子がコミカルな演技とダンスを見せ、ネット動画の編集感覚を商業アニソンへ持ち込みました。
同作の「ヒャダインのじょーじょーゆーじょー」は、恋愛ではなく友情を主題にし、騒がしい日常と突然の感動を一曲で行き来します。「クリスマス?なにそれ?美味しいの?」では、一人で複数の人物を演じ、行事を楽しむ人へのひがみを大規模な合唱へ変えました。
「Choose me feat.佐咲紗花」などでは、男性、女性、別の女性という三者の恋愛関係を、声とパート分けによって短いドラマにしています。ヒャダイン名義の核は、歌唱力を一直線に見せることではなく、声を登場人物へ分解することです。
■ゲーム音楽とボカロ文化から受けた影響
初期の動画では、『ドラゴンクエスト』『スーパーマリオ』『ロックマン』などのゲーム音楽を題材にしました。短い旋律が場面やキャラクターを即座に思い出させるゲーム音楽の設計は、その後のアイドル曲やアニソンにも生かされています。
ヒャダインはVOCALOIDを中心とするボカロPとは異なり、自分の声をピッチ加工して男女を演じる方法で知られました。しかし、動画投稿、二次創作、匿名性、視聴者コメントとともに曲が育つという点で、初期ネット音楽文化の重要な一角を担っています。
■カラオケで一人では足りない理由
ヒャダインの曲は、男声と女声、主旋律と台詞、低音と高音が休みなく交代します。「カカカタ☆カタオモイ-C」を一人で歌う場合は、声域だけでなく、性格を瞬時に切り替えなければなりません。「じょーじょーゆーじょー」は高速の言葉と大きな高音、「クリスマス?なにそれ?美味しいの?」は多重コーラスが難所です。
複数人で役を分け、台詞、合いの手、振付まで再現すると、本来の面白さが出ます。ヒャダインの作品がカバーされるのは、曲を完成品として受け取るだけでなく、歌う側が配役と演出を考えられるからです。ネット動画で培った一人多役の方法を、アイドル、アニメ、テレビ、ライブへ持ち込んだことが、前山田健一/ヒャダインの音楽シーンへの大きな影響です。
ヒャダインの楽曲情報
ヒャダインに関連する楽曲情報をまとめたページです。このページでは、ヒャダインがカバーしている曲や、原曲として関わっている曲を確認できます。曲ごとのキー差を見比べることで、どのような高さで歌われていることが多いかを考える参考として使いやすいページです。
現在、このページに掲載されているヒャダインのカバー曲は0件です。オリジナル曲は2件です。
掲載カバーが多い歌い手 TOP20
当サイトに掲載しているカバー動画数が多い歌い手を表示しています。よくカバー動画を投稿している歌い手や、キー差を比較しやすいアーティストを探すときの参考にできます。
掲載オリジナル曲が多いアーティスト TOP20
当サイトに掲載しているオリジナル曲数が多いアーティストを表示しています。原曲キーを比較したい曲や、ほかの原曲アーティストを探すときの参考にできます。
- HoneyWorks 95曲
- DECO*27 60曲
- ピノキオピー 33曲
- 米津玄師 32曲
- まふまふ 31曲
- Mrs. GREEN APPLE 29曲
- Ado 28曲
- 40mP 24曲
- Giga 24曲
- YOASOBI 22曲
関連記事
カラオケキーやキー差について詳しく知りたい場合は、以下の記事も参考にしてください。
