くるりについて
■京都から始まり、同じ場所にとどまらないバンド
くるりは、1996年に京都の立命館大学の音楽サークル「ロック・コミューン」で結成されたロックバンドです。中心メンバーは岸田繁(ボーカル・ギター)と佐藤征史(ベース)。結成時には森信行(ドラム)も在籍し、1998年にシングル「東京」でメジャーデビューしました。「東京」は、上京する若者の孤独を、大げさな決意ではなく、街の空気と会話のような歌声で描いた曲です。派手な技巧よりも、生活の景色、コードの響き、少し不安定な声をそのまま作品にする姿勢が、初期からくるりの核になっています。
メンバー編成を何度も変えながら、岸田と佐藤を軸に活動を継続してきました。ギター中心のオルタナティブロック、打ち込み、テクノ、フォーク、カントリー、クラシック、ワールドミュージックまで、アルバムごとに方法を変えるため、一つのジャンルで説明することができません。それでも岸田の日本語のメロディー、佐藤の歌うようなベース、移動や鉄道を思わせる風景が作品をつないでいます。
■「ばらの花」から「ワールズエンド・スーパーノヴァ」へ
2001年の「ばらの花」は、くるりの代表曲として数多くのアーティストにカバーされています。雨上がり、ジンジャーエール、安心な僕らといった日常語を並べ、関係が終わりそうな不安を明言せずに残す歌です。簡潔なメロディーの下で、ベース、鍵盤、リズムが少しずつ感情を動かし、聴く人によって恋愛、友情、別れの曲へ意味が変わります。奥田民生や矢野顕子をはじめ、世代やジャンルの異なる音楽家が歌ってきたのは、この余白が大きいからです。
アルバム『TEAM ROCK』前後では電子音とダンスミュージックへ接近し、「ワンダーフォーゲル」「ワールズエンド・スーパーノヴァ」を発表しました。特に「ワールズエンド・スーパーノヴァ」は、反復するビートと浮遊する歌によって、日本のロックバンドがクラブミュージックを取り込む一つの重要な形を示しました。その一方で、「ハイウェイ」では映画『ジョゼと虎と魚たち』の旅と孤独を、アコースティックな演奏で描きます。映画では劇伴も担当し、歌のない音楽でも物語の温度を作れることを示しました。
■アルバムごとに制作環境を変える
くるりは、作品の題材に合わせて録音場所や参加音楽家を変えてきました。『アンテナ』では硬質なバンド演奏、『NIKKI』では親しみやすいロックとポップス、『ワルツを踊れ Tanz Walzer』ではウィーン録音とオーケストラを取り入れています。「Jubilee」では管弦楽とバンドを結び付け、「ブレーメン」ではヨーロッパの街並みを思わせる音像を作りました。岸田は後に交響曲やクラシック作品も手掛けており、その和声感覚はくるりの曲にも還元されています。
2023年のアルバム『感覚は道標』では、岸田、佐藤、オリジナルドラマーの森信行が約20年ぶりに3人で制作しました。過去の編成へ単純に戻るのではなく、長い活動を経た演奏で初期の衝動を捉え直した作品です。メンバー交代を弱点として隠すのではなく、参加者が変わるたびにバンドの音を作り直してきたこと自体が、くるりの歴史になっています。
■京都音楽博覧会とシーンへの影響
2007年から京都・梅小路公園で開催している「京都音楽博覧会」は、くるりが企画する野外音楽イベントです。ロックバンドだけでなく、シンガーソングライター、海外音楽家、伝統やクラシックに関わる出演者を同じ場へ招き、京都という土地と音楽を結び付けてきました。バンドの作品だけでなく、聴き手が異なる音楽へ出会う環境を作る活動でもあります。
後続の日本語ロックに与えた影響は、特定の音色よりも「変化してもバンドであり続けられる」という姿勢にあります。日常語を使った歌詞、会話のような歌唱、電子音と生演奏の融合、土地や移動を題材にする方法は、多くのバンドやシンガーソングライターへ受け継がれました。
■歌いやすそうで再現が難しい理由
くるりの曲は最高音が極端に高くないものも多く、弾き語りやバンドカバーに選ばれやすい一方、岸田の語りと歌の中間にある発声、拍より少し後ろへ置く言葉、コードの微妙な明暗を再現するのは簡単ではありません。「東京」は抑えたまま感情を保つこと、「ばらの花」は単調にならないフレーズ作り、「ワールズエンド・スーパーノヴァ」は反復の中でグルーヴを維持することが必要です。
メロディーが強いため、女性キー、ピアノ、電子音、アコースティックなど別の編成へ変えても曲が成立します。カバーする人の声や時代によって違う意味を持てることこそ、くるりの曲が長く歌われる理由です。
くるりの楽曲情報
くるりに関連する楽曲情報をまとめたページです。このページでは、くるりがカバーしている曲や、原曲として関わっている曲を確認できます。曲ごとのキー差を見比べることで、どのような高さで歌われていることが多いかを考える参考として使いやすいページです。
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掲載カバーが多い歌い手 TOP20
当サイトに掲載しているカバー動画数が多い歌い手を表示しています。よくカバー動画を投稿している歌い手や、キー差を比較しやすいアーティストを探すときの参考にできます。
掲載オリジナル曲が多いアーティスト TOP20
当サイトに掲載しているオリジナル曲数が多いアーティストを表示しています。原曲キーを比較したい曲や、ほかの原曲アーティストを探すときの参考にできます。
- HoneyWorks 95曲
- DECO*27 60曲
- ピノキオピー 33曲
- 米津玄師 32曲
- まふまふ 31曲
- Mrs. GREEN APPLE 29曲
- Ado 28曲
- 40mP 24曲
- Giga 24曲
- YOASOBI 22曲
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