吐息について
■歌声と映像を同時に設計するボカロP
吐息は、作品によって「吐息.」とも表記される作曲家、音楽プロデューサー、映像クリエイター、ボカロPです。2020年にYouTubeチャンネルを開設し、最初期の作品「ANEMONE feat. Ado」で注目を集めました。Adoがメジャーデビュー前後に持っていた鋭い声と、吐息の暗く粘つく電子音が結び付き、ボカロPが人間の歌手を“客演”として迎える現在の制作形態を早い段階から示しています。
吐息の活動は、音声合成ソフトだけに限定されません。arhを迎えた「生きる」、相沢を迎えた「ねえ、ダリア」、菅原圭を迎えた「ありふれて花束」、sekaiを迎えた「シャンデリア」など、声質の異なる歌手と継続的に共同制作しています。歌手へ既成曲を渡すのではなく、その人の息の量、低音の質感、言葉の崩し方を前提に、曲の人物像を作り直す点が特徴です。
■甘さと不穏さが同居する音楽
代表的な作品には、「ANEMONE」「アリス」「どろどろ」「飴色の微熱」「デートプラン」「スイートルーム」「プリティ」「ヘブンズ」などがあります。題名には花、部屋、デート、微熱といったロマンチックな語が多く使われますが、歌詞では執着、倦怠、裏切り、依存、関係の終わりが描かれます。かわいらしい言葉と、傷付け合う人物の会話を同じ曲へ入れることで、甘い恋愛曲が少しずつ壊れていく感覚を作っています。
音声合成作品では、初音ミク、flower、可不、歌愛ユキ、ゲキヤクなどを使用。中性的で硬いflower、幼く乾いた歌愛ユキ、息を含む可不といった音源の違いを、単なる声色の選択ではなく、登場人物の性格として利用します。「デートプラン」ではflowerとゲキヤク、「プリティ」ではflowerと歌愛ユキを組み合わせ、二つの声が同じ関係を異なる位置から語る構造を作っています。
■短い言葉を反復して感情を追い詰める
吐息の曲は、重い低音、細かな電子ノイズ、ピアノ、加工されたコーラスを組み合わせることが多く、テンポが速い曲でも開放的には聞こえません。同じ単語や母音を繰り返し、音が増えるほど人物が追い詰められていく構成が目立ちます。
歌詞には「愛している」「一人にしないで」といった直接的な表現が現れますが、それが救いになるとは限りません。相手を求める言葉が束縛へ変わり、優しさが罪悪感へ変わる過程を描くため、聴き手はどちらか一方を善人として見ることができません。映像でも色数を抑えたイラスト、視線、花、傷、室内の閉塞感を使い、楽曲と同じ心理を視覚化しています。
2022年にはアニメ制作企画「X Anime」の課題曲も担当し、物語と映像を前提に曲を書く能力を示しました。その後もボカロ作品とシンガー参加曲を並行して発表し、2026年には3rdアルバム『追憶』をリリース。活動初期から蓄積してきた記憶、喪失、関係性をまとめる作品となっています。
■カバーで問われる演技と息遣い
吐息の楽曲は、最高音だけでなく、低い囁きから急に強い高音へ移ることが難所です。人間歌唱曲では、Ado、菅原圭、相沢、sekaiらの個性的な発音をそのまま模倣するより、歌詞の人物が誰へ語っているかを決める必要があります。
音声合成曲では、機械的に短く切られた語尾、息継ぎを考慮しないフレーズ、複数の声が重なる箇所を人間用に組み直す工夫が必要です。一方、男女や複数人で役を分けると、原曲の会話性や危うい関係を表現しやすくなります。吐息の曲が歌ってみたで選ばれるのは、旋律の中毒性だけでなく、歌い手が一人の登場人物として演技できる余白が大きいからです。
吐息の楽曲情報
吐息に関連する楽曲情報をまとめたページです。このページでは、吐息がカバーしている曲や、原曲として関わっている曲を確認できます。曲ごとのキー差を見比べることで、どのような高さで歌われていることが多いかを考える参考として使いやすいページです。
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掲載カバーが多い歌い手 TOP20
当サイトに掲載しているカバー動画数が多い歌い手を表示しています。よくカバー動画を投稿している歌い手や、キー差を比較しやすいアーティストを探すときの参考にできます。
掲載オリジナル曲が多いアーティスト TOP20
当サイトに掲載しているオリジナル曲数が多いアーティストを表示しています。原曲キーを比較したい曲や、ほかの原曲アーティストを探すときの参考にできます。
- HoneyWorks 95曲
- DECO*27 60曲
- ピノキオピー 33曲
- 米津玄師 32曲
- まふまふ 31曲
- Mrs. GREEN APPLE 29曲
- Ado 28曲
- 40mP 24曲
- Giga 24曲
- YOASOBI 22曲
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