知声について
■ CeVIO ProからVoiSonaへ続く標準歌声
知声(Chis-A)は、株式会社テクノスピーチが企画・制作するAI歌声合成ボイスです。2022年2月24日に公開された「CeVIO Pro(仮)」の第一弾ソングボイスとして登場し、同ソフトがVoiSonaへ名称変更・正式展開された後も、基本となる標準歌声として無料提供されています。新しい歌声合成環境へ初めて触れる利用者が、追加購入をせず制作を始められる入口として設計された点が重要です。
名前の英字表記はChis-Aで、英語版は発音を示す「Chis-A [tʃíːseɪ]」として展開されています。日本語ソングボイスに加えて英語ソングボイス、さらにトークボイスへも展開され、歌唱専用キャラクターから複数の音声創作分野を横断する存在になりました。
■ 中性的で少年性を帯びた声
公式は知声を、深層学習などのAI技術によって声質、癖、歌い方をリアルに再現する「中性的な歌声」と説明しています。推奨音域はG3~D5、推奨テンポは80~145BPMです。女性的な高音へ寄りすぎず、低めの中域では少年のような乾いた響きがあり、ポップスだけでなく、ジャズ、バラード、オルタナティブ、ローファイ系の曲にも馴染みます。旋律の合間に入るブレスが歌声の個性として扱われており、無機質に音程を並べるだけでなく、呼吸を含む人間的なフレージングを作りやすいライブラリです。
VoiSonaではピッチ、タイミング、ビブラート、声質などを編集でき、知声は初期状態でも比較的自然に歌います。一方、ピッチの揺れを抑えると人工的で中性的な質感が強まり、細かな揺れや息を残すと人間らしい歌唱になります。この両方向へ振れることが、知声を幅広いクリエイターが採用する理由です。
■ キャラクター設定とビジュアル
知声は「ある研究所の内部ネットワークに住み、日々与えられる歌のデータを学習している歌う人工知能」という設定を持ちます。外見は大人に近い一方、精神的には幼く、ときに突飛な行動をする存在として描かれています。設定年齢は19歳、身長160cm、体重46kg。キャラクターデザインはcherico、企画・制作はテクノスピーチです。公式からMMDモデルや各種素材も提供され、楽曲投稿だけでなく、3D映像、イラスト、二次創作へ展開できる環境が整っています。
■ ネット音楽で果たした役割
知声の大きな意味は、AI歌唱を無料で試せる標準音源として、VoiSonaの普及と同時に多くの楽曲へ使われたことです。初音ミクなどのVOCALOIDを中心に活動してきた制作者だけでなく、CeVIO AI、Synthesizer V、UTAUなど複数エンジンを併用する作家が、作品ごとに知声の中性的な声を選ぶようになりました。性別を明確に固定しない声は、歌詞の主人公像を限定しにくく、男性キーと女性キーの中間に置いた楽曲、複数音源のユニゾン、低いハモリにも使いやすい特徴があります。
英語版の追加によって、日本語曲だけでなく英語詞や多言語曲にも対応しやすくなりました。VoiSonaの標準歌声であるため、配布されたプロジェクトや調声解説で使用される機会も多く、AI歌唱の編集方法を学ぶ教材的な役割も担っています。
■ カラオケで知声曲を歌うポイント
知声使用曲は、中性的な声のおかげで音域が狭く聞こえても、実際にはG3~D5付近を中心に上下する旋律が多く、男性にはサビが高く、女性にはAメロが低く感じられることがあります。原曲の少年性を再現しようとして声を細くしすぎると、低音が不明瞭になりやすいため、低い部分は地声の芯を残し、高音のみ軽いミックスや裏声へ移す方法が有効です。ブレスを含むフレーズでは、合成音声の呼吸位置をそのまま真似すると息が足りなくなる場合があるため、人間が歌う際はフレーズの区切りを再設計する必要があります。
知声の楽曲情報
知声に関連する楽曲情報をまとめたページです。このページでは、知声がカバーしている曲や、原曲として関わっている曲を確認できます。曲ごとのキー差を見比べることで、どのような高さで歌われていることが多いかを考える参考として使いやすいページです。
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