古川貴之について
■ ガレージロックバンドから特撮主題歌へ
古川貴之は、ロックバンドTHE PINBALLSのボーカル/ギターとして活動したシンガーソングライターです。THE PINBALLSは2006年に結成され、古川が多くの楽曲で作詞・作曲を担当しました。ガレージロック、ブルース、パンクを基盤にしながら、文学、神話、映画、怪物、港町などを題材にした物語性の強い歌詞を特徴とします。
バンドは2010年、タワーレコードのオーディション「Knockin’on TOWER’s Door」で多数の応募から1位に選ばれました。インディーズ作品を重ね、2017年にミニアルバム『NUMBER SEVEN』でメジャーデビュー。2021年に活動休止しています。
■ THE PINBALLSでの作家性
代表曲には「十匹の熊」「七転八倒のブルース」「蝙蝠と聖レオンハルト」「Lightning strikes」「Voo Doo」「カルタゴ滅ぶべし」「真夏のシューメイカー」などがあります。
古川の歌詞は、日常の恋愛をそのまま書くより、悪魔、船乗り、魔法使い、古代都市、酒場の人物へ置き換えます。声は掠れた中低音と鋭い高音を持ち、英米ガレージロックの荒さを、日本語の物語へ結び付けています。
「カルタゴ滅ぶべし」では古代ローマの決まり文句を題名にし、破壊へ向かう執念をロックへ変換。「樫の木島の夜の唄」では、眠らない男と失われる記憶を長い物語として描きます。
■ 「全力キング」で広がったソロ名義
2023年、古川貴之名義でテレビドラマ『王様戦隊キングオージャー』オープニングテーマ「全力キング」を歌唱しました。作詞は古川貴之、作曲・編曲は園田健太郎。王、国、戦いを扱う作品に合わせ、力強い掛け声、ブラス、ロックを組み合わせています。
サビの「全力キング」という短い言葉と、古川の荒々しい声が、子ども向け特撮の明快さと大人も楽しめるロックの熱量を両立しました。配信や動画で大きく再生され、THE PINBALLSを知らなかった特撮ファンにも名前が広がりました。
ソロ名義では、バンド時代の文学的な暗さを残しながら、作品の主人公や視聴者へ直接届く言葉を使います。「The Prophet」などでも、物語を背負った力強い歌唱を聞かせます。
カラオケでは「全力キング」が中心です。音域よりも、荒い声を喉へ負担なく出すこと、掛け声、リズム、サビの勢いが重要です。THE PINBALLS曲では語数と独特な比喩も難所になります。古川貴之は、地下のガレージロックで培った物語と声を、特撮主題歌という大衆的な場所へ持ち込んだ歌手です。
古川貴之の楽曲情報
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