松谷祐子について
■ 「ラムのラブソング」の声として残る歌手
松谷祐子は、1981年放送開始のテレビアニメ『うる星やつら』初代オープニングテーマ「ラムのラブソング」で広く知られる歌手です。同曲は1981年10月21日に発売され、作詞を伊藤アキラと小林泉美、作曲・編曲を小林泉美が担当しました。松谷の甘く軽い歌声と、シンセサイザー、ファンク、ラテン的なリズムが結び付き、アニメソング史を代表する一曲になっています。
「あんまりソワソワしないで」という冒頭から、浮気性の諸星あたるを追いかけるラムの嫉妬と愛情が直接語られます。主人公の名前や物語を説明せず、キャラクター本人が歌っているように聞こえる点が特徴です。高く細い声、語尾の囁き、「好きよ」の反復によって、可愛らしさと独占欲を同時に表現しました。
■ 小林泉美のサウンドと松谷祐子の声
「ラムのラブソング」は、当時のアニメ主題歌に多かった勇壮な行進曲や作品名連呼型とは異なり、都会的なシンセポップとして作られました。小林泉美によるベースライン、電子音、細かなパーカッションは、1980年代初頭のファンクやニューウェーブの感触を持っています。
松谷祐子は同作の初代エンディングテーマ「宇宙は大ヘンだ!」も歌唱しました。こちらは宇宙規模の騒動をコミカルに描き、オープニングとは異なる高速の言葉と明るさを持ちます。1984年公開の映画『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』では主題歌「愛はブーメラン」を担当し、より大人びたメロディーと切なさを表現しました。
■ 数え切れないカバーを生んだ理由
「ラムのラブソング」は、アニメの世代交代後も、声優、アイドル、ロックバンド、VTuber、海外歌手によって繰り返しカバーされています。2022年版『うる星やつら』の放送を機に再び注目され、原曲のシンセポップとしての先進性も評価されました。
カラオケでは、単に可愛い声を作るだけでなく、跳ねるリズム、息を含ませた高音、短いフレーズの語尾を正確に処理することが必要です。「好きよ」の反復は毎回同じにせず、甘え、警告、確信へ少しずつ感情を変えると原曲の人物像が出ます。
松谷祐子の作品数は多くありませんが、「ラムのラブソング」「宇宙は大ヘンだ!」「愛はブーメラン」という三曲が『うる星やつら』の異なる時期と感情を象徴しています。一人の歌手の声が、ラムというキャラクターの恋愛観と1980年代アニメ音楽の記憶を結び付けた例です。
松谷祐子の楽曲情報
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