水野あつについて
■高校生のボカロPからシンガーソングライターへ
水野あつは、シンガーソングライター、ボカロP、作詞・作曲・編曲家として活動するクリエイターです。高校時代、友人からDECO*27の「モザイクロール」を教えられ、個人が制作した音楽をインターネット上で発表し合うVOCALOID文化に衝撃を受けました。IAを購入してボカロPとして曲作りを始め、大学ではバンド活動を経験。上京後は自ら歌うシンガーソングライターへ進みましたが、思うように歌えない時期を経て、音楽的同位体・可不と出会ったことで再び合成音声による制作へ戻っています。この「自分の声から合成音声へ、さらに本人歌唱へ」という往復が、水野あつの作品を特徴付けています。
2019年に「カーテンレール」を公開し、2020年の「知りたい」で広く注目されました。「知りたい」は、ピアノを軸にした短いフレーズと、相手の気持ちを確かめたい切実さを繰り返す曲です。同年には1stミニアルバム『おやすみ僕の愛した君へ』を発表。華美な比喩を重ねるより、「怖い」「寂しい」「知りたい」「ごめんね」といった日常的な言葉を正面から置き、ピアノとシンプルなコードで感情を支える作風を確立しました。
■「生きる feat. 可不」が届いた理由
最大の代表曲は、2021年7月に発表した「生きる feat. 可不」です。水野あつが可不を使った最初のオリジナル曲で、短い言葉と反復するピアノを中心に、愛されたい気持ち、生きることへの疲れ、自分を責める感情を描きました。強い言葉で希望を断言するのではなく、「愛されなくても良いよ」と言いながら、実際には誰かとのつながりを求めている矛盾を残しています。可不の幼さと不安定さを含む声が歌詞と結び付き、YouTubeで1000万、2000万、さらに3000万再生へ到達する長期的な広がりを見せました。
この曲は本人歌唱版やリメイク版も発表されています。可不版では、感情を直接ぶつけ過ぎないことで聴き手が自分を重ねやすくなり、本人歌唱版では声の揺れや息が作家自身の告白として聞こえます。同じ曲を合成音声と実声で届けることで、VOCALOID作品とシンガーソングライター作品の境界をなくしました。「信じることが怖い」「でもね」「無理に笑わなくて良いよ」「過去に戻れたら」などにも、苦しい人を強く引っ張るのではなく、弱さを認めた場所から話しかける姿勢が続いています。
■提供曲と『プロジェクトセカイ』への展開
水野あつは自身の曲だけでなく、他の歌手やバーチャルシンガーへ多数の楽曲を提供しています。花譜「ソレカラ」では作詞・作曲・編曲を担当し、子どもが物語と出会う企画に合わせて未来へ進む感覚を描きました。ハコニワリリィ「一緒なら」「きみだよ」、宮川大聖「明日が来るのが怖くて」、こはならむ「主人公」、Sou「大人になった」、ころん「月は綺麗なのに」など、歌い手の声や活動背景に合わせながら、水野らしい率直な言葉を残しています。
2023年にはゲーム『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』のワンダーランズ×ショウタイムへ「星空オーケストラ」を書き下ろしました。普段の内省的なピアノバラードとは異なり、ショーの華やかさ、仲間と進む物語、夜空が広がるようなサビを持つ曲です。苦しさを扱う作家というイメージにとどまらず、キャラクターと物語に応じて明るい大編成のポップスも作れることを示しました。
■雨宿りで見せたユニットの音
2022年には、ボーカリストSoodaとの2人組ユニット「雨宿り」を結成し、水野はコンポーザー兼ピアノを担当しました。「どんどん」「猫かぶり」「シグナル」「拝啓、五年前の僕へ」などを発表し、2024年に1stアルバム『傘をなくして』をリリース。水野のピアノと物語性のある作曲を、Soodaの実声で継続的に表現する場となりました。ユニットは2025年に一時活動休止しましたが、ソロ、ボカロ、提供曲とは異なる共同制作の軸を残しています。
■歌いやすい言葉ほど、感情の置き方が難しい
水野あつの曲は、複雑な早口や大きな音域より、短いフレーズと反復が中心です。そのため歌ってみたや弾き語りへ取り入れやすく、「生きる」は可不曲を代表するカバー定番の一つになりました。一方、同じ言葉を繰り返す場面で感情を変えること、弱い声のまま音程を保つこと、ピアノの余白を埋め過ぎないことが必要です。原曲の可不に近づける歌い方だけでなく、低い男性声、強い女性声、複数人の合唱でも別の意味が生まれます。
水野あつは、ネット発のボカロP、本人が歌うシンガーソングライター、提供作家、ユニットの作曲家という役割を行き来しながら、言葉にできない弱さを短く直接的な歌へ変えてきたクリエイターです。
水野あつの楽曲情報
水野あつに関連する楽曲情報をまとめたページです。このページでは、水野あつがカバーしている曲や、原曲として関わっている曲を確認できます。曲ごとのキー差を見比べることで、どのような高さで歌われていることが多いかを考える参考として使いやすいページです。
現在、このページに掲載されている水野あつのカバー曲は0件です。オリジナル曲は3件です。
掲載カバーが多い歌い手 TOP20
当サイトに掲載しているカバー動画数が多い歌い手を表示しています。よくカバー動画を投稿している歌い手や、キー差を比較しやすいアーティストを探すときの参考にできます。
掲載オリジナル曲が多いアーティスト TOP20
当サイトに掲載しているオリジナル曲数が多いアーティストを表示しています。原曲キーを比較したい曲や、ほかの原曲アーティストを探すときの参考にできます。
- HoneyWorks 95曲
- DECO*27 59曲
- ピノキオピー 33曲
- 米津玄師 32曲
- まふまふ 31曲
- Mrs. GREEN APPLE 29曲
- Ado 28曲
- Giga 24曲
- 40mP 23曲
- YOASOBI 21曲
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