ろくろについて
■少ない作品数で強烈な輪郭を残したボカロP
ろくろは、2017年2月に「色喰いの鬼」を投稿して活動を始めたボカロP、シンガーソングライターです。初音ミク、GUMI、flower、IAなど複数の音声合成ソフトを使い、和の陰影を帯びた旋律、疾走するロック、急激に感情が反転する構成で注目されました。大量に曲を発表するタイプではありませんが、一曲ごとの世界観が濃く、短い活動期間に投稿された作品が現在も繰り返し聴かれています。
初期の「色喰いの鬼」では、色を奪う存在を題材に、寓話的な歌詞と攻撃的なバンドサウンドを組み合わせました。「セカイ再信仰特区」は、信仰、集団、正しさといった言葉を畳み掛け、現代社会を思わせる不穏な都市を描きます。「超常現象」「ひとりがち」などでも、現実から少しずれた題材を使いながら、孤独や自己否定を直接的なロックへ変えています。
■代表曲「スロウダウナー」
最大の代表曲は、2018年発表の「スロウダウナー」です。ろくろにとって7作目のボカロ曲で、初音ミクとGUMIのデュエットとして制作されました。「救いをください」という切実な言葉を中心に、静かな緊張からサビへ向けて圧力が高まる構成、二つの合成音声が互いを追いかけるような歌唱、鋭いギターが一体となっています。
同曲は2019年4月にニコニコ動画で自身初のミリオン再生を達成し、その後『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』や複数の音楽ゲームにも収録されました。歌い手の島爺によるカバーをはじめ、人間ボーカル版も広く聴かれ、ろくろ自身のセルフカバーでも、作曲者本人が持つ荒々しい歌心が示されています。ボカロ版と人間版を往復できる「歌うボカロP」としての性格が、作品の広がりを支えました。
■黒い渦とモノクロームの視覚表現
ろくろの楽曲では、モノクロを基調にした人物画、画面を侵食する黒い渦、不安定な文字が繰り返し現れます。映像やアートワークではハヌルとの組み合わせでも知られ、音楽が持つ焦燥感を視覚的に補強しました。明るい色やかわいいキャラクターを前面に出すのではなく、白と黒の衝突によって、歌詞の中の「救われたい」「正しくなれない」という感情を見せます。
「DADARUMA」ではflowerの鋭い声を生かし、言葉が転がり続けるような高速ロックを作りました。だるまを連想させる反復と、倒れても終わらない執念が、ろくろの作品に通底する自己破壊と再起のイメージにつながっています。楽曲ごとに使用ボーカルを変え、その声の癖を物語の人物像へ利用している点も特徴です。
■歌ってみたで残る難しさ
ろくろの曲は、単純に最高音が高いだけでなく、低い語りから急に張り上げる部分、細かく詰め込まれた日本語、長いフレーズの中で変化する感情を処理する必要があります。「スロウダウナー」は二人で歌えば声質の対比が生まれ、ソロで歌えば一人の内面が分裂するような表現も可能です。「セカイ再信仰特区」や「DADARUMA」は、リズムへ言葉を正確に置きながら、攻撃性を失わないことが求められます。
作品数の多さではなく、耳に残る語感、救済を求める切実な歌詞、和風と現代ロックの接続、モノクロの映像美によって、ろくろは2010年代後半のボカロロックに独自の痕跡を残しました。投稿が途切れた後もカバーや音楽ゲームを通じて新しいリスナーが流入し続けること自体が、一曲ごとの強度を示しています。
ろくろの楽曲情報
ろくろに関連する楽曲情報をまとめたページです。このページでは、ろくろがカバーしている曲や、原曲として関わっている曲を確認できます。曲ごとのキー差を見比べることで、どのような高さで歌われていることが多いかを考える参考として使いやすいページです。
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掲載カバーが多い歌い手 TOP20
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掲載オリジナル曲が多いアーティスト TOP20
当サイトに掲載しているオリジナル曲数が多いアーティストを表示しています。原曲キーを比較したい曲や、ほかの原曲アーティストを探すときの参考にできます。
- HoneyWorks 95曲
- DECO*27 59曲
- ピノキオピー 33曲
- 米津玄師 32曲
- まふまふ 31曲
- Mrs. GREEN APPLE 29曲
- Ado 28曲
- Giga 24曲
- 40mP 23曲
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