想太について
■ 歌愛ユキの声で描いた、言えない別れ
想太は、2012年に「うそだよね」を投稿して活動を始めたボカロPです。初音ミク、歌愛ユキ、flower、Fukaseなどを使用し、作詞・作曲・編曲を手掛けます。代表曲は「いかないで」で、ほかに「さよならだけが人生だ」「うそだよね」「またあした」「少年少女のコトバ」などがあります。
8作目の「いかないで」は、歌愛ユキを使用した楽曲です。祭りが終わった夜、最終便で遠くへ行く相手を見送り、本当は引き止めたいのに言えない人物を描いています。街灯、影、地面がずれていく感覚など、別れの場面を具体的な映像として置き、短い「泣いちゃだめ」の反復で感情を抑えます。
■ 小学生の声が生んだ独特の距離感
歌愛ユキは、実際の小学生の声をもとにしたVOCALOIDです。「いかないで」では幼く素朴な声が、恋愛とも友情とも決め切れない感情を残します。人間の歌手が強く歌い上げれば大人の失恋に、少年少女が歌えば幼い別れに聞こえるため、歌唱者によって物語の年齢が変わります。
編曲は和風の音色、軽い打楽器、反復する伴奏を用い、祭りの後の静けさを作ります。サビで大きく音圧を上げず、最後まで感情を飲み込む設計が、一般的なバラードとは異なる点です。
■ 歌ってみた・翻訳カバーで拡大
「いかないで」は想太初のVOCALOID殿堂入り作品となり、2018年にはニコニコ動画で100万再生を達成しました。歌愛ユキのオリジナル曲として初のミリオン達成曲でもあります。歌い手による日本語カバーだけでなく、英語、中国語、韓国語などへの翻訳版、ピアノ、アコースティック、オーケストラ風のアレンジが作られました。
アルバム『少年少女のコトバ』には「いかないで」を含む作品が収録され、子どもと大人の間にある感情、言葉にできない後悔を一つの世界へまとめています。題名どおり、想太の曲は「言おうとして言えなかった言葉」を中心に進みます。
カラオケでは「いかないで」が圧倒的な代表曲です。音域は極端に広くありませんが、同じフレーズを繰り返す中で感情を少しずつ変える必要があります。原曲の歌愛ユキに寄せて無機質に歌う方法、息を増やして切なさを出す方法、地声で物語を強める方法があり、歌い手ごとの解釈が表れます。大声で泣くのではなく、泣くことを我慢する人物を音楽にしたことが、長くカバーされる理由です。
想太の楽曲情報
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