ねこぼーろについて
■静かな電子音で、言葉にならない痛みを描く
ねこぼーろは、ササノマリイが2009年からVOCALOID楽曲を発表してきた際の名義です。初音ミクを中心に使い、エレクトロニカ、ロック、ヒップホップの感触を混ぜながら、強い感情を大声で叫ばず、音の隙間やかすれた質感によって伝える作風を築きました。
代表曲には「自傷無色」「戯言スピーカー」「弾けないギターを片手に」「ハルニキミト」などがあります。「自傷無色」は、自分が消えても世界は変わらないのではないかという自己否定を、簡素なピアノと電子音、淡々とした初音ミクの歌声で描いた作品です。「戯言スピーカー」では、本心を言えずに他人へ合わせてしまう人物を、反復するフレーズと不安定なビートで表現しています。どちらも刺激的な題名だけに頼らず、弱い声のまま感情が崩れていく構成が、多くの歌い手に解釈されてきた理由です。
■ササノマリイ名義への移行
2014年には、自ら歌唱するアーティスト「ササノマリイ」として活動を本格化し、全国流通作品『シノニムとヒポクリト』を発表しました。ねこぼーろ時代の曲を人間の声で再構築するだけでなく、「共感覚おばけ」など、細かな電子音、歪んだリズム、映像的な展開をさらに押し広げた作品を制作しています。
映像面でも作品世界を強く設計しており、「戯言スピーカー」の映像ではマッチ箱を用いたストップモーションやアニメーションが採用されました。音楽と映像を別々に作るのではなく、人物の孤独、閉塞感、言葉の詰まりを、画面の質感や動きまで含めて表現する点が特徴です。
その後はアニメ主題歌の制作・歌唱、他アーティストへの楽曲提供に加え、たなか、Ichika Nitoと結成したバンドDiosでキーボードとサウンドメイクを担当。ボカロP、シンガーソングライター、バンドメンバーという複数の立場を行き来しながら、ねこぼーろ時代から続く繊細な電子音を発展させています。
■「カナデトモスソラ」と現在につながる再評価
スマートフォンゲーム『プロジェクトセカイ』のユニット「25時、ナイトコードで。」へ書き下ろした「カナデトモスソラ」は、誰かの心へ届く音を作り続ける人物の葛藤を、抑えたテンポと広がるサビで描いた曲です。ササノマリイ自身の歌唱版だけでなく、初音ミクによるねこぼーろ名義のバージョンも公開され、活動初期と現在をつなぐ作品となりました。
2024年には、未配信だった楽曲をリマスターした『ねこぼーろセレクション』が配信されました。「自傷無色」「戯言スピーカー」「弾けないギターを片手に」「共感覚おばけ」「カナデトモスソラ」などを同じ作品で聴ける構成により、名義が変わっても一貫している音楽性が改めて示されています。
■カラオケ・カバーで難しい点
ねこぼーろの曲は、極端な超高音よりも、息を含んだ弱い声、中高音を長く保つこと、感情を出し過ぎないことが難所です。原曲の初音ミクは平坦に聞こえる部分でも、音程の細かな揺れや言葉の切り方が緊張感を作っています。
「自傷無色」を力強いバラードとして歌うか、原曲の無力感を残すか、「戯言スピーカー」で機械的な反復を再現するか、人間的な怒りを加えるかによって、印象が大きく変わります。編曲に余白が多く、歌声そのものが前面へ出るため、歌い手ごとの感情解釈がはっきり現れることが、長くカバーされ続ける大きな理由です。
ねこぼーろの楽曲情報
ねこぼーろに関連する楽曲情報をまとめたページです。このページでは、ねこぼーろがカバーしている曲や、原曲として関わっている曲を確認できます。曲ごとのキー差を見比べることで、どのような高さで歌われていることが多いかを考える参考として使いやすいページです。
現在、このページに掲載されているねこぼーろのカバー曲は0件です。オリジナル曲は3件です。
掲載カバーが多い歌い手 TOP20
当サイトに掲載しているカバー動画数が多い歌い手を表示しています。よくカバー動画を投稿している歌い手や、キー差を比較しやすいアーティストを探すときの参考にできます。
掲載オリジナル曲が多いアーティスト TOP20
当サイトに掲載しているオリジナル曲数が多いアーティストを表示しています。原曲キーを比較したい曲や、ほかの原曲アーティストを探すときの参考にできます。
- HoneyWorks 95曲
- DECO*27 59曲
- ピノキオピー 33曲
- 米津玄師 32曲
- まふまふ 31曲
- Mrs. GREEN APPLE 29曲
- Ado 28曲
- Giga 24曲
- 40mP 23曲
- YOASOBI 21曲
関連記事
カラオケキーやキー差について詳しく知りたい場合は、以下の記事も参考にしてください。
