VY1V4について
■ VOCALOID4の最初を飾ったヤマハ純正ライブラリ
VY1V4は、ヤマハが2014年12月に発売した日本語女性歌声ライブラリです。VOCALOID4対応製品として最初に登場し、新エンジンの主要機能を示す基準音源の役割を担いました。前身は2010年発売のVY1で、特定のアニメ的キャラクターを前面に出さず、制作者が楽曲そのものへ集中できる汎用ボーカルとして企画された「VY」シリーズの女性音源です。
VY1の象徴には、かんざしを思わせる意匠と「MIZKI」というコードネームがありますが、初音ミクのように年齢や身長を含む固定キャラクター設定は設けられていません。この非キャラクター性により、MVごとに異なる人物像を与えたり、姿を出さず純粋な歌声として扱ったりできる点がVY1系統の大きな特徴です。
■ 4種類の歌声とVOCALOID4機能
VY1V4には「Natural」「Normal」「Soft」「Power」の4ライブラリが収録されています。Naturalは滑らかで癖の少ない主力声、Normalは従来のVY1らしい標準的な声、Softは息を含む穏やかな表現、Powerは強いアタックを持つ張りのある声です。公式推奨テンポは60~200BPM。推奨音域はNaturalがD2~F4、PowerがF3~D4、SoftがF2~E3、NormalがB2~A3とされ、声色ごとに得意な高さが異なります。
VOCALOID4では、異なる声色を連続的に混ぜるクロスシンセシスと、声を荒らして力感を加えるグロウルが導入されました。VY1V4は4音色すべてを備えるため、AメロをSoft、通常部分をNatural、サビをPowerへ移行するといった設計が可能です。クリアな滑舌、滑らかな発声、長い音を強く伸ばせるロングトーンが公式の訴求点で、ポップス、ロック、バラード、和風曲まで対応範囲が広い音源です。
■ VY1の代表曲とV4での表現
VY1系統を象徴する楽曲として特に知られるのが、EZFGの「サイバーサンダーサイダー」です。鋭い電子音、早口のフレーズ、反復する言葉をVY1の明瞭な発音で押し出した作品で、VY1がキャラクター人気ではなく音楽性と調声で存在感を示せることを広く印象付けました。VY1V4では旧世代曲の再調声やカバーにも多く使われ、ヤマハ公式特集ではcilliaによるbuzzG「Fairytale,」のカバーが紹介されています。細かなピッチ変化、声の震え、サビでのグロウルが、V4世代の性能を分かりやすく示す例です。
VY1V4は特定の一人のボカロPだけに結び付く音源ではありません。癖が比較的少なく、仮歌、既存曲のカバー、他音源とのデュエットにも合わせやすいため、プロ・アマを問わず「まず曲を成立させる標準声」として使われました。ヤマハ自身が開発した純正ライブラリであることも、VOCALOID4の新機能を試すリファレンスとして選ばれた理由です。
■ ボカロ文化での立ち位置
キャラクター設定を抑えたVY1V4は、キャラクター中心の二次創作文化とは異なる方向からボカロシーンを支えました。映像制作者が曲ごとに自由な主人公を描けること、企業案件や仮歌でも既存キャラクター像に引っ張られにくいこと、複数の声色を一製品で使い分けられることが強みです。VOCALOID5でもV3・V4ボイスバンクとの互換性が用意され、VY1系統は後の環境でも使い続けられました。
■ 人間が歌う際のキー傾向
VY1V4使用曲はジャンルの幅が広いため、音源名だけで「高い」「低い」とは断定できません。ただし、PowerやNaturalの明瞭さを生かしたロック・高速曲では、女性の中高音域を長く保ち、子音を立てたまま細かい音符を処理する作品が多くなります。「サイバーサンダーサイダー」のような曲では、最高音だけでなく早口、息継ぎの少なさ、同音反復が難所です。
原曲キーが厳しい場合、男性はオクターブ下または-3~-5、女性も高音が続く曲では-1~-3が候補になります。一方、Soft主体のバラードは下げすぎるとAメロが低くなりやすいため、最高音だけで決めず最低音と地声の響きも確認してください。カバーごとのキー差を比較すると、VY1V4の広い表現を人間の声域へ移す際に、どの程度調整されやすいかを把握できます。
VY1V4の楽曲情報
VY1V4に関連する楽曲情報をまとめたページです。このページでは、VY1V4がカバーしている曲や、原曲として関わっている曲を確認できます。曲ごとのキー差を見比べることで、どのような高さで歌われていることが多いかを考える参考として使いやすいページです。
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